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第30章 — 交霊術 GCJ 106

私は、「たたき」という惑わしを見た。 サタンには、イエスにあって眠っている親戚や友達の姿を取る偽者を、私たちの前に現す力を持っている。 生きていた時の馴染みの言葉や話ぶりで私たちに聞かせ、本当に目の前にいるように見せ掛けてくる。 こういった事はすべて、この世の人をだまして、惑わせるためのわなである。 GCJ 106.1

聖人たちは今の真理に精通して、それを聖書から弁明しなければならない時がくる事を私は見た。 彼らは、死んでいる人の状態を知る必要がある。 なぜなら、悪魔たちの霊はいつか愛する友達や親戚を装い、聖書に反する教えを主張しながら聖人たちに現れるからである。 その悪魔たちの霊は、主張する事を裏付けるために全力を尽くして奇跡を起したりして、同情心を引き起こそうとする。 死んでいる人は何も知らないし、それに、これらのものは「悪魔たちの霊だ」と神様の民は聖書の真理を持って、この霊たちに抵 抗できる準備をしておかなければならない。 GCJ 106.2

なぜ私たちは望みを抱いているのか、その理由を聖書で説明しなければならない時がくるので、その望みの基盤を徹底的に調べる必要がある事を私は見た。 それは、この迷いが広がるのを見て、いつか私たちはそれに面と向かって闘わなければならないからである。 用意しておかないと、私たちはわなにはまって落ちてしまう。 しかし、すぐやって来る闘いのためにできるだけの準備をするなら、神様は自分の役を果たして、全能の腕で私たちを守ってくれる。 忠実な者がサタンの不思議な偽りにだまされ、連れ行かれるよりは、栄光の中にいる天使を皆、彼らの防壁になるため送っても良いと神様は思っている。 GCJ 107.1

この迷いが急速に広がっているのを私は見た。 電光石火の速さで走っている電車は私に示された。 あの天使が私に、「よく見て御覧」と言った。 そして私は、その電車をじっと見つめた。 人類は皆乗っているように見えた。 次に彼は、乗客が皆尊敬した立派な容貌をしている車掌を私に見せてくれた。 私は戸惑ったので、付き添いの天使に、「あの者は誰ですか」と聞いた。 すると彼は、「あれはサタンですよ。 彼は光の天使の外見をしている車掌で、この世の者をとりこにした。 彼らはうそを信じ、罰を受けるために強い迷いに引き渡されている。 サタンに次いで位の高い者は機関士で、そして他の部下はサタンの必要に応じて、いろんな仕事をやっている。 彼らは皆稲妻のように速く地獄の方に走っている」と答えてくれた。 そこで天使に、「残っている者はいないのですか」と尋ねる事にした。 「逆の方向を見てみなさい」と言われたので見ると、狭い小道を歩いている小さなグループが見えた。 彼らは皆、真理によって結ばれ、固く団結しているようだった。 GCJ 107.2

この小さなグループの人たちは厳しい試練や闘いを経たようで、顔がやつれていた。 ちょうどその時、太陽は雲の後ろから現れ、彼らの顔を照らしたので、その顔付きが勝利をもうほとんど収めているように見えた。 GCJ 107.3

主が全人類にそのわなを見つけるチャンスを与えた事を私は見た。 クリスチャンにとって、他に証明するものがなくても、これ一つだけで十分な証明になる→それは、卑劣なものと貴重なものとの区別をしない事である。 GCJ 107.4

体がもう既にちりに戻ったトマス・ペインは、あの1,000年の後、第二の復活の時に報いを得るため呼び出され、そして、第二の死を味わう。 「彼は天国に居て、とても賞賛されている」とサタンは言う。 サタンは地上で彼をできるだけ長く利用した。 トマス・ペインが地上で教えていたように、彼が今、天国で同じような事を教えている上、賞賛されている、とサタンは見せ掛けている。 彼の生涯と死、それに生きている間の曲がった教えでぞっとしていた人のうちには、神様と神様の法律を嫌った一番堕落した卑劣な人物の一人であった、トマス・ペインに今、教えられるのを許す人もいる。 GCJ 108.1

偽りの父は自分の天使たちを、使徒たちの代弁者として送り、世の人を盲目にさせ、惑わす。 彼らは、使徒たちが地上に生きた間、聖霊に口述されて書いた内容と矛盾する事を言っているように見せ掛ける。 使徒たちが自分の教えを曲げ、元々の本当の教えは純粋なものであった、とこのうそつきの天使たちは見せ掛ける。 こうしてサタンは、「生きている」という名前を持っても、本当は死んでいるクリスチャンたちやこの世の者を皆に、神様の言葉に対して疑わしい思いを引き起こす事ができる。 その言葉によってサタンの進路は妨げられ、そして彼の計画はだめになる可能性が高い。 だから彼らに、聖書の神聖の起源に対して疑わしい思いを引き起こす。 その上、不信心者トマス・ペインを立たせ、彼が死んだ時に天国に案内され、地上で大嫌いだった聖なる使徒たちに加わって、世の者に教えているように見せ掛ける。 GCJ 108.2

サタンは自分の天使をそれぞれ配役する。 悪賢く、巧妙に、こっそりと行動するよう、彼らに命じる。 ある堕天使は使徒の役を演じ、代弁者となると同時に、他の堕天使は、死んだ時に神をのろったが、改心したように見える元不信心者や悪人の役を演じるよう、とサタンの指示を受ける。 一番聖なる使徒と一番卑劣な不信心者とのけじめをつけない。 両方とも同じ事を教えているように見せ掛ける。 サタンにとって、自分の目的を達成するのなら、誰を話させようか気にしない。 トマス・ペインは生きている間よくサタンを手伝った。 あまりにも彼と親密な関係を持っていたのでサタンは、自分に忠実に仕え、自分の目的を上手に果たしてくれた敬虔な子供の筆跡や言葉遣いなどを簡単に知る事ができる。 彼が書いたものの多くはサタンに口述さ れたので、今、サタンがいろんな考えを自分の天使たちに口述して、それを生きている間サタンに献身的に仕えたトマス・ペインから出ているように見せ掛けるのは簡単である。 これこそサタンの傑作である。 「死んだ使徒、聖人や悪人の教え」と言われているものはすべて、直接、悪魔大王様から出ている。 GCJ 108.3

サタンをあんなに愛した者、その者が神様を完全に嫌っていても、聖なる使徒たちや天使たちと一緒に栄光の中に居る、という見せ掛けだけで、まだ理解できない人は誰であれ、サタンの暗やみに包まれている不思議な働きを見出す事ができるだろう。 つまり、サタンはこの世の人や不信心者に、「いくら悪くても、神様や聖書を信じても信じなくても、天国はあなたの住まいになる。 好きに生きても良い」と言わんばかりしている。 トマス・ペインみたいな者が天国であんなに賞賛されているなら、誰でも行ける、と皆は知っている。 これはあまりにも明白だから、誰でも理解したいならできる。 サタンはトマス・ペインのような人を通して、堕落してからやろうとしてきた事を今やっている。 自分の力と不思議な偽りでクリスチャンたちの希望の基盤を壊し、それに天国に至る狭い小道を照らす太陽を消そうとしている。 「聖書には神様の霊感が入っていない、ただの小説だ」とサタンはこの世の人に信じ込ませながら、代わりに提案するものは→霊的なしるしだ! GCJ 109.1

こういう種類のものを独占しているので、サタンはこの世の人を操って、好きなだけ物事を信じさせる事ができる。 自分と自分の支持者たちを裁く本を喜んで日陰に隠して、そしてこの世の救い主を普通の人と見せ掛ける。 イエスの墓を見張っていたローマの番人たちが祭司長たちや長老たちに言わせられた偽りの情報、そのうそを広めたように、この偽りの霊的なしるしに従う可愛いそうな迷っている人たちは、私たちの救い主の誕生、死、と復活を真似て、「あれは別に奇跡的ではない」と見せ掛ける。 そして喜んで、イエスを聖書と共に目立たないようにする。 それから、自分と自分の不思議な偽りや奇跡の方にこの世の人の関心を引き、「これらはキリストがやっていた事よりずっと素晴らしい!」と断言する。 こうしてこの世の人はわなに掛かり、安心だと思い込んでしまい、その最後の七つの災害が注がれるまで自分たちはだまされた事の重大さを悟らない。 サタンは、自分の計画が大成功を収め、世の人が皆わなに掛かっているのを見て、笑う。 GCJ 109.2

伝道者の書9:5、ヨハネ11:1-45、テサロニケ第二2:9-12、黙示録13:3-14を参照