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天使の守護 GCJap 236

改革者たちに危険が迫ったことを示すしるしがあらわれた。また、忠実な者を保護するために神のみ手がのべられたことを示すしるしもあった。ちょうどこのころのことであった。「メランヒトンは、彼の友人シモン・グリナエウスを連れて、大急ぎでシュパイエルの町を通りぬけてライン河に向かい、彼をせきたてて河の向こう側に渡らせた。そのときシモンは、なぜこ GCJap 236.4

うも急がせられるのかと不思議に思った。『謹厳な風采をした見知らぬ一人の老人が、わたしの前にあらわれて、フェルディナント公から派遣された役人が、グリナエウスを捕らえにすぐやってくると言ったのだ』とメランヒトンは言った」 GCJap 237.1

その日グリナエウスは、法王側の大博士ファーベルの説教に憤慨し、「まことに憎むべき誤り」を弁護しているとして、彼に抗議したのであった。「ファーベルは怒りを隠していたが、その後直ちに王のところへ行き、王から、このハイデルベルクのかたくなな教授、グリナエウスの逮捕命令を得たのである。メランヒトンは、神が、聖天使の一人を送って、警告を与え、彼の友人を救ってくださったことを疑わなかった」 GCJap 237.2

「メランヒトンは、ライン河の岸辺にじっと立って、川の流れが、迫害者の手からグリナエウスを救うのを見つめていた。彼が対岸に到着すると、『やっと彼は、罪なき者の血に飢えた残酷な牙から免れた』とメランヒトンは叫んだ。彼が家に帰ってみると、グリナエウスの捜索隊が、家の中を隅から隅までさがしまわったことを知らされた」 GCJap 237.3