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「二三〇〇の朝夕」の預言 GCJap 373

キリストの再臨の時を最も明らかに示していると思われる預言は、ダニエル書8章14節の「二三〇〇の夕と朝の間である。そして聖所は清められてその正しい状態に復する」という預言であった。ミラーは、聖書を聖書自身の注解書とするという彼の規則に従って、象徴的預言においては、一日が一年をあらわすことを知った(民数記14章34節、エゼキエル書4章6節)。彼は、預言の二三〇〇日は字義的には二三〇〇年であって、ユダヤ時代の終結する時をはるかに越えているから、その時代の聖所を指すものではないということを悟った。ミラーは、キリスト教時代においては、地上が聖所であるという一般の見解を受け入れた。 GCJap 373.1

そこで彼は、ダニエル書8章14節に預言されている聖所の清めとは、キリストの再臨の時に、地上が火で清められることであると理解した。したがって、二三〇〇日の正確な起算点を発見することができれば、キリスト再臨の時は容易に確かめることができると、彼は結論した。こうして、大いなる終結の時、すなわち現在の状態が「そのあらゆる高慢と権力、華麗と虚飾、罪悪と圧迫とともに終わり」、のろいが「地から除かれ、死が滅ぼされ、神のしもべたち、預言者や聖徒たち、また、神の名をおそれる者たちに報いが与えられ、地を滅ぼすものが、滅ぼされる」時が、明らかにされるのであった。 GCJap 373.2

ミラーは、新たな、そしていっそうの熱心さをもって、預言の研究を続け、今や驚嘆すべき重要性と尽きない興味にあふれていると思われる問題の研究に、日夜没頭した。彼は、二三〇〇日の起算点の手がかりを、ダニエル書8章には見つけることができなかった。天使ガブリエルは、幻をダニエルに理解させるように命令されてはいたが、彼に、部分的説明しか与えていなかった。教会にふりかかる恐ろしい迫害が、預言者の幻に展開された時に、ダニエルは体力が衰えてしまった。彼は、もう耐えられなくなり、天使は、しばらく彼を離れた。ダニエルは、「疲れはてて、数日の間病みわずらった」「しかし、わたしはこの幻の事を思って驚いた。またこれを悟ることができなかった」 GCJap 373.3

しかし神は、「この幻をその人に悟らせよ」と天使に命じておられた。この命令は遂行されねばならなかった。天使は、それに従って、しばらくたった時に、ダニエルのところに戻って、「わたしは今あなたに、知恵と悟りを与えるためにきました」「ゆえに、このみ言葉を考えて、この幻を悟りなさい」と言った(ダニエル書8章27、16節、9章22、23、24~27節)。8章の幻の中で、重要な点が一つ説明されていなかった。それは、時、すなわち二三〇〇日の期間に関するものであった。それゆえに天使は、再び説明を始めるにあたって、主に時の問題に関して述べた。 GCJap 374.1