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選民イスラエルの歴史 GCJap 22

神の特別の恵みと保護を受けた選民の、千年以上にわたる歴史が、イエスの眼前に展開された。約束の子イサクが、なんの抵抗もせずに犠牲として祭壇に縛られた―─それは、神のみ子の供え物の象徴であった―─モリヤの山がそこにあった。そこで信仰の父アブラハムに祝福の契約、輝かしいメシヤの約束が確認された(創世記22章9節、16~18節参照)。ここは、オルナンの打ち場から犠牲の炎が天にのぼり、滅びの天使の剣をそらせたところであった(歴代志上21章参照)が、それは罪人のための救い主の犠牲ととりなしの適切な象徴であった。エルサレムは、全地のどこよりも、神の栄誉を受けていた。「主はシオンを選び、それをご自分のすみかにしようと望」まれた(詩篇132篇13節)。 GCJap 22.1

そこは、各時代にわたって、聖預言者たちが警告の使命を発したところであった。そこで、祭司たちは、香炉を揺り動かし、そして礼拝者の祈りと共に、薫香の煙が神の前にのぼっていった。そこで、日ごとに、ほふられた小羊の血がささげられて、神の小羊を指し示していた。そこで、主は、贖罪所の上の栄光の雲の中にご自分の臨在をあらわされた。そこに天と地を結ぶ不思議なはしごが立ち、その上を神の使いたちが上り下りしていた。そして、それは、最も聖なるところへの道を世界に開いたのである(創世記28章12節、ヨハネ1章51節参照)。もしイスラエルが国家として、天の神に忠誠を尽くしたならば、エルサレムは、神に選ばれたものとして、永遠に立ったことであろう(エレミヤ書17章21~25節参照)。しかし、あの恵まれた民の歴史は、背信と反逆の記録であった。彼らは、天 の神の恵みに反抗し、自分たちの特権を乱用し、機会を軽んじたのであった。 GCJap 22.2