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    エレン・G・ホワイト略伝

    エレン・G・ホワイト(旧姓エレン・G・ハーモン)は、1827年11月26日に、米国メイン州ゴーハムに生まれた。彼女の両親は2人とも熱心なクリスチンで、メソジスト・エピスコパル教会に属していた。SC 1980.6

    エレンは強健な両親から、丈夫な身体と物覚えのよい頭脳とを受け継いでいたので、将来に大きな望みをかけられていた。ところが、エレンが9才の時のことである。ふとしたことで学友が投げた石が彼の鼻を打ち、鼻骨が折れて、彼女は昏睡状態で3週間を過ごした。そして重病を併発し、勉学を続けることができなくなり、ついに12才以後は学校の門をくぐったことがないという不幸な状態に陥ってしまった。若いエレンにとって、顔は醜くなり、健康は衰え、勉学の希望を捨てなくてはならぬことは、耐えられないことであったが、彼女はその苦境を、ひたすら信仰によって乗り越えて行った。SC 1980.7

    やがて、この気高い信仰の持ち主は、神に用いられる器として選ばれることになった。時は、ちょうどあの有名なウィリアム・ミラー等による、キリストの再臨運動のまっただ中のことで、エレンもこの運動に加わっていた。しかし、彼らが予期していた1844年10月22日がきても、キリストの再臨はなかった。こうして、多くの信者が失望、落胆のどん底にあった時、エレンは神から公の召命を受けた。ときに彼女の健康状態は実に悪く、肺患により右側は完全に侵され、病巣は左肺にも及び、心臓もまた非常に衰えていた。人間の目から見る時に、彼女はほとんど廃人同様であり、召しに応ずることは冒険に近いことであったが、エレンは、信仰をもって神の召命に応じた。当時、彼女は17才であった。SC 1980.8

    1846年、エレン・ハーモンはジェイムズ・ホワイト長老と結婚したが、これから始まるホワイト夫妻の伝道生涯は、席の暖まることを知らないほどの忙しいものであった。また、彼女の前身を知る者には驚くべき奇跡でもあった。あの交通不便な19世紀の中ごろにあって、夫人は米国の各州はもちろんのこと、イギリス、フランス、スイス、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの各地をたずね、オーストラリア、ニュージーランド、タスマニア等には8年間も滞在した。彼女の一生には、多くの偉業や逸話が残っているが、ここでそれらの1つ1つに触れることは紙面が許さないので、その最大のものを1つ取り上げてみたい。それは彼女の著述家としての一面である。SC 1980.9

    彼女はその多忙な生涯において、一大叢書ともいうべき数多くの本を著わしたが、主なものだけでも50数冊にのぼる。そしてその中の主だったものは、各国語に訳されて、長年にわたって何百万部も読まれている。たとえば『キリストへの道』は、100の言語に訳されて、全世界で1400万部も発行されてきた。そして今なお手をつけられていない多数の原稿が、「エレン・G・ホワイト著書刊行委員会」の手で保管されている。SC 1980.10

    彼女の多くの著作の中で、「争闘シリーズ」とよばれる5冊からなる大作は、彼女の代表作として知られている。それはまた、最も読みごたえのある著作でもある。その5冊とは、『人類のあけぼの』『国と指導者』『各時代の希望』『患難から栄光へ』『各時代の大争闘』である。SC 1980.11

    彼女の著作は、宗教、教育、健康、家庭と幅広い分野にわたっているだけでなく、その内容においても、すでに100年以上も前に、砂糖、肉食、タバコの害を訴え、環境汚染や薬禍の問題を警告するなど、まことに現代の預言者と呼ばれるにふさわしい。SC 1980.12

    ホワイト夫人は、1915年7月16日、満70年の充実した伝道生涯を終えて、カリフォルニア州セント・ヘレナで永眠した。彼女が亡くなった時、世界的な宗教雑誌「ニューヨーク・インディペンデント」は、セブンスデー・アドベンチスト教会を紹介した後、エレン・G・ホワイトに言及して、「夫人はインスピレーション(霊感)であり、ガイド(指導者)であった。彼女は尊い記録を残していった」とその死を惜しんだ。SC 1980.13

    発行者SC 1980.14

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