Go to full page →

第31章—天使とは何か GCJap 590

天使の実在 GCJap 590

目に見える世界と目に見えない世界との関係、神の天使の奉仕、そして悪霊の働きなどは、聖書の中にはっきりと示されており、人類歴史と不可分に織り混ざっている。一般に、悪霊の存在に関しては、信じない傾向が強まっており、他方、「救を受け継ぐべき人々に奉仕する」聖天使たちは、死者の霊であると考えている人が多い(ヘブル1章14節)。しかし、聖書は、善天使と悪天使は両方とも存在することを教えているばかりでなく、これらは肉体を離れた死者の霊ではないという、疑うことのできない証拠を提示している。 GCJap 590.1

人類が創造される前に、天使は存在していた。それは、地の基がすえられた時、「明けの星は相共に歌い、神の子たちはみな喜び呼ばわった」とあることからもわかる(ヨブ記38章7節)。また、人類の堕落後、命の木を守るために天使が送られたが、この時には、まだだれも人間は死んではいなかった。天使は、人間よりは優れた性質のもので、人は、「ただ少しく天使よりも低く」造られたと、詩篇記者は言っている(詩篇8篇5節、英語訳)。 GCJap 590.2

聖書には、天の存在者の数、またその力と栄光が書かれている。また、彼らと神の統治との関係、そして贖罪の働きとの関連についても記されている。「主はその玉座を天に堅くすえられ、そのまつりごとはすべての物を統べ治める」「御座……のまわりに、多くの御使たちの声が上がるのを聞いた」と預言者は言っている。彼らは、王の王の面前にはべる「勇士たち」「そのみこころを行うしもべたち」「そのみ言葉の声を聞」く「使たち」である(詩篇103篇19~21節、黙示録5章11節)。預言者ダニエルは、千々、万々の天使たちを見た。使徒パウロは、「無数の天使の祝会」と言った(ダニエル書7章10節参照、ヘブル12章22節)。 GCJap 591.1

彼らは、神の使者として、「いなずまのひらめきのように速く」行き来する(エゼキエル書1章14節)。栄光に輝き、迅速に飛ぶ。救い主の墓にあらわれた天使の姿は、「いなずまのように輝き、その衣は雪のように真白であった」ので、見張りたちは恐ろしさのあまり震えあがって、「死人のようになった」(マタイ28章3、4節)。高慢なアッスリヤ人、セナケリブが、神をののしり、冒瀆した時、「その夜、主の使が出て、アッスリヤの陣営で十八万五千人を撃ち殺した」。セナケリブの軍隊の「すべての大勇士と将官、軍長ら」が滅ぼされた。「それで王は赤面して自分の国に帰った」(列王紀下19章35節、歴代志下32章21節)。 GCJap 591.2